不飽和土の構成モデル
不飽和土はこれまで勉強したことがなかったのですが、不飽和土の弾塑性モデルについての論文(1)を読む機会があったので要点をメモ。
- 提案されたモデルは、有効応力の変化、塑性変形に対する抵抗性および降伏応力の変化の2つのサクション効果を考慮したTwo Suctionモデル。
- 有効応力の変化は等価間隙圧を導入し定式化するが、基本的にはBishopの有効応力式と同様。
- 塑性変形に対する抵抗性および降伏応力の変化は状態面(不飽和土における正規圧密状態を表す面)により記述される。
- 下負荷面を考慮している。これは塑性変形への移行をスムーズにするためであり、不飽和土の特性とは無関係。
- 正規降伏面は破壊を規定する面と正規圧密挙動を規定する面がありCSL上で連結している。前者は非関連流れ則、後者は関連流れ則を用いる。
- 水分特性曲線には著者が提案したTangentialモデルを用いる。
論文内ではロックフィルダムを対象にしていたので締まった土もしくは岩が対象でしたが、これが軟弱な斜面(粘性土)に対しても使用できるかは不明。
このあたりは更に文献を探してみたい。
(1)向後ら、不飽和土弾塑性モデルを用いた実ダムの築堤・湛水挙動解析、土木学会論文集C、2010.3.